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Greenpeace Japan サム・アネスリーさん 後編

アイルランドから日本へ。社会貢献をしたいという思いがグリーンピースにつながった。

高校時代に日本へ留学。世界各国での様々な経験を経て、今、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン事務局長をしているサム・アネスリーさんに話を聞きました。

 

 

◼ピースボートの経験がグリーンピースにつながった

 

ロズリン : 医学部の入学は難しいでしょ? 

 

サム : 難しいです。皇學館大学で職員として仕事をしながら勉強をして、試験を受け、合格しました。でも、最終的には放棄してしまったんです。入学までに半年空いたので、通訳のボランティアとして地球一周のピースボートに乗りました。ちょうどいい暇つぶしのつもりだったんですが、これは楽しい!しかも社会貢献になる!ということで、ハマってしまいまして。それで、医学部に入るのはやめました。

 

(マチュピチュにて)

 

ロズリン : まあ(笑)

 

サム : すごくもったいないんですけど(笑) 結局、ピースボートは4年間ぐらい乗りました。

 

ロズリン : 何カ国くらいに行ったんですか。

 

サム : 50カ国ぐらいです。非常に勉強になりました。もともと社会問題には興味があったんですが、自分の目で見ると、やはり違います。

ピースボートに乗る前も社会問題には関心があり、一般市民の私でもできることはないのかな、と思っていました。

ピースボートに乗って、それぞれの国の社会問題を見ることで、自分の立場が見えてきました。それで、船を降りてから更に4年間、ピースボートのスタッフとして働きました。

 

ロズリン : そうなんですね! それからどうしたのですか。

 

サム : そのスタッフとしての4年間はとても有意義な時間でしたが、市民レベルの活動だけでは物足りないと感じ始めました。

もう少し企業やビジネスの世界を理解しないと、うまくやっていけないと思ったんです。それで、金融関係の仕事に就きました。

とてもいい経験でした。その後、あしなが育成会という日本の有名なNGOに勤めました。そこにいるときに声をかけられて、いのちの電話の事務局長になり、それからグリーンピースに移りました。

 

(ⓒDermot Killoran / Greenpeace)

 

◼フォーカスしているのは気候変動

 

ロズリン : いろいろ経験してきたんですね! グリーンピースについては、くわしく知っていましたか?

 

サム : そんなにくわしくはなかったです。環境保護問題に取り組んでいるということ、そして、反捕鯨運動の活動しているというイメージが強かったです

 

 

ロズリン : 捕鯨については、なかなか難しい問題です。私も昔、オーストラリアの日本大使館に勤めていたことがあるんですが、

そこで私は、捕鯨の弁護をしなければならない立場でした。余談ですが、日本は昔、鯨をとっていましたけど、捕まえるのも大変だし、

命がけの仕事だったんですよね。だから、その毛にいたるまで全部使って、大事にしていたのです。

アメリカでは半分、スポーツ感覚だったんですね。今は全然違いますが。捕鯨する必要はありません。

グリーンピースでは今後、何にフォーカスして活動していくのですか。

 

サム : 主に気候変動です。先日、国連が報告書を出したのですが、今、地球の気候は非常に深刻な状態になってきています

気候変動を含め環境破壊は問題が大きすぎて、一人ひとりの力ではどうしようもないと感じることもあるかもしれません。

でも実際にはできることは山ほどあります。コンビニやスーパーでレジ袋を断ることから、署名に参加する、メールや投書などにより

政治家や企業に声を届ける、環境保護団体に寄付をすることまですべてが意味のある行動です。それを皆さんに知ってもらうことが、

これからの課題です。

 

 

ロズリン : なるほど。啓発活動ですね。

 

サム : とはいえ、私たちの活動は正しいから従いなさい、というような上から目線のメッセージはよくないと思っています。

とくに私のような白人の男性がそんなことを言っても、反発されるだけでしょう。日本にはもともと自然を大事にする心があるので、

そこを強調して、美しい日本を守りましょう、そのために改善していきましょうと伝えていきたいと思っています。

 

◼自然エネルギーへの転換を広めたい

 

ロズリン : 環境のためには、石炭を使う火力発電はやめたいところですよね。でも、原子力もやりたくないでしょう?

 

サム : そうなんですよね。大震災後、原発はいったん全部止まったんですけど、今は稼働しはじめている。

 

ロズリン : 発電といえば、うちの研究所が埼玉にあるのですが、そこにあったテニスコート、そして屋根全体を潰して太陽光発電にしています。小さな貢献ですけど。

 

 

サム : 自然エネルギーも今後、持続可能な形でもっともっと増やすべきですね。石炭やめましょう、原発やめましょう、だけでは困ります。

その代わりに、じゃあどうすればいいのかについても考えていかないといけません。具体的にできることを一つひとつ発信して、共有して、行動する人の輪を広げていくのがグリーンピースの役割だと考えています。

 

◼百名山突破が夢

 

ロズリン : 忙しい毎日かと思いますがプライベートもエンジョイできていますか?

 

サム : 山登りが好きで、時々行っています。百名山を突破するのが夢なんです。まだ20個くらいしか行けていませんが。

 

(鹿島槍にて)

 

ロズリン : 5分の1じゃないですか!素晴らしい。

 

サム : もともと自然が好きなんです。よく、なぜ日本に住んでいるのかと聞かれるのですが、理由があるとしたら、日本が美しい国だからです。アイルランドもきれいですけどね。

 

ロズリン : でも大都会はどうですか。

 

サム : 実は代々木公園の近くに住んでいます。23区内に住まなければいけないのであれば、せめて緑の多い場所にと思って。

とても暮らしやすいです。日本に暮らしてみて思うのですが、日本人は自分の国のことを謙遜しがちですよね。

でも、日本は美しいし、食事も美味しいし、素晴らしい国。もっと自信をもってほしいと思います。

 

ロズリン : 本当にそうですね。今日は興味深いお話をありがとうございました。

 

 

【感想】

些細なきっかけで日本に来て、今や国際環境NGOで国内外のエネルギーや自然環境のことまで考えているサムさん。

その経験からも日本に対する想いの強さを実感しました。私たちも環境のことを考えつつ生活しようと、改めて考えるいい機会になりました。

これからもサムさんの活動を応援しています!

 

【サム・アネスリーさんプロフィール】

1982年、イギリス・北アイルランド生まれ。

日本に興味を持ち17歳の時に、高等学校の交換留学で一年間滞在する。

その後、英国ケンブリッジ大学で日本語を専攻し、三重県皇學館大学にて神道学を学ぶ。

大学卒業後、南米やヨーロッパでの勤務経験を経て、2007年に日本へ戻る。

以来11年間、NGO「ピースボート」や親を亡くした子どもたちを支援している団体「あしなが育英会」など、日本のNGOで東日本大震災の被災地支援や原発問題などの環境問題、平和教育、そして文化交流などに携わる。

自殺予防に取り組むNPO法人「東京英語いのちの電話」の事務局長を経て、2018年12月より現職。

 



Profile

日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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