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アマナデジタルイメージング ハイドロイド 谷合孝志さん 前編

 

今回は、サンギが昨年11月に新たにWEBで公開した映像のCGを制作いただいた、螢▲泪淵妊献織襯ぅ瓠璽献鵐 ハイドロイドの取締役 谷合孝志さんに登場いただきます。

その最先端のテクノロジーを駆使したお仕事の話と、これまでのご自身の歩みなどをじっくり語っていただきました。

 

 

見えないものを可視化する

 

ロズリン:今回の制作にあたっては、私の要求が厳しく、難しいお仕事だったと思いますが、よく引き受けてくださいました。

 

谷 合:こちらこそ楽しかったです。

うちの会社は、CGを中心としたビジュアル制作会社です。

 

その中で、ハイドロイドは見えないものを正確に可視化することに力を注ぎ、探求心の強い社員が多いので、サンギさんならではの素晴らしい技術、薬用ハイドロキシアパタイトがどういうものか、歯の再石灰化の様子などをいかにわかりやすく伝えるかを使命とし、がんばりました。

 

ロズリン:サンギは世界で初めて、歯や骨の主成分である「ハイドロキシアパタイト」を歯みがき剤に配合し、特許をいくつもとりましたが、現在その技術が世界中に広がり、会社によっては自分たちが開発したようにうたっているところもあります。

 

動画を作るにあたり、私たちがパイオニアであるという証拠になるような、どこにもない科学的なアプローチのものにしたかった。

 

もともと顕微鏡で見ているような感じをイメージしていたんですが、御社で作っている、細胞や血流の様子、またガンの発生の仕組みなどのCGを見せていただいたら、すごく見事で。

 

イメージ以上の動画に仕上げていただき、本当に感謝しています。

おかげさまで、海外を含むいろいろなところで褒められます。

 

 

制作いただいた動画「歯にもミネラル補給:薬用ハイドロキシアパタイト」、映像の一部

http://www.apagard.com/about/history/movie/index.html

 

 

谷 合:そんなに喜んでいただくと、こちらもうれしいです。ありがとうございます。

 

ロズリン:私は獣医の資格を持っていますが、医学を学ぶためには動物の解剖をしなければなりません。

このCGの技術が進めば、動物を犠牲にせずにすむのではないかと期待しています。

 

谷 合:そういう意味ではいい方向に向かっていることは間違いありません。

手術をするときに、あらかじめその人の体内臓器のデータを3Dプリンターで作成し、まったく同じ形状のものを作ることができるようになりました。

 

今まで手探りでやっていた手術も、事前に術式を検証でき、どこに病巣があるかもわかる。手術の成功率がぐっと上がるんです。

 

 

 

ロズリン:でもそのモデル制作には時間とお金がかかるんですよね?

 

谷 合:CTやMRからの取得データから10〜24時間くらいでしょうか。

解析や3Dプリンターのスピードはかなり早くなっていますから、近い未来にはさらに普及すると思います。

保険適用範囲も広がっていますから。

 

ロズリン:それなら私もやってみたいですね。

 

 

 

音楽やデザインの勉強を経て

 

ロズリン: 谷合さんの会社は、そういったビジュアル制作技術のパイオニアだと思いますが、ご自身はいつからこの世界に入ったのですか。

 

谷 合:学生時代は、自分がこういう業界で仕事をするようになるとは思ってませんでした。科学や音楽、デザインなどに興味がありましたね。

あらためて考えてみると、時代時代でやってきたことは違うけれど、根本は変わっていないのかな。

 

ロズリン:学生時代、打ち込んでいたことは?

 

谷 合:テニスをしていました。いまでも続けていて、コートに立たないと調子が悪いです。

音楽も好きだったのでバンドを作り、当時70年代はフォーク全盛だったので僕もフォークギターを弾いて、歌っていました(笑)。

 

 

ロズリン:卒業後は?

 

谷 合:工学系の学校だったので、地元の精密機械の加工会社に入りました。

当時はまだめずらしかったマシニングセンタのプログラミングと細かい手加工をしていました。

 

でもファッションデザインの勉強がしたくなり、会社を辞めて上京し、バンタンデザインで3年間学びます。

実は、ひそかにミュージシャンになりたいという夢もあったんです(笑)。

 

ロズリン:とても素敵じゃないですか。

 

谷 合:学校を出た後、地元に帰り、島精機製作所という会社の織機を使って、コンピュータのプログラムを使ったニットを作りはじめました。

 

手織りではできないような、細かい模様ができるようになり、ジャカードでプリーツの服を作り東京で展示会を開いたところ、私の作品を見た山本寛斎の部長さんに声をかけていただいたんです。

 

言わずと知れた世界的なデザイナー。

当時フリーだったので、それから1週間後、寛斎さんの会社に入れていただきました。

当時、DCブランド全盛のいちばんいい時代。寛斎さんの考え方やもの作り、人柄に触れられ、とてもいい経験になったと思います。

 

 

 

画像加工の仕事で独立

 

ロズリン:素晴らしい出会いでしたね。

そこから次のステップへはどのようなきっかけで?

 

谷 合:島精機のニットを編む機械のプログラミングで、升目を埋める作業がどんどん細かくなって、今のフォトショップと同じようなものを作れるようになったんです。

 

そこで、この機械を使いニットを作るよりも、写真などの画像処理をしようと。

たとえば、写真に写り込んだ邪魔な電線を消すだけで20万円という時代です。もとの機械は5千万円という時代ですけどね。

これを仕事にしようと、35歳で独立し再び上京しました。

 

電線を消すだけではなく、画像の合成、女性の肌のレタッチなど、そういうことができるようになったのです。

 

 

ロズリン:お客さんのあてはあったんですか。

 

谷 合:よくぞ聞いてくださいました(笑)。まったくなくて、最初の1年間は営業ばかりしていました。300件電話をかけても、興味を持ってくれる人はゼロ。

まだ世の中にこういう仕事をしている人がいなかったので、なかなか理解されなかった。

 

営業の一方、プレゼンテーション用の作品をたくさん作っていましたが、その頃は貧乏でしたね。米だけあればいい、みたいな状況で(笑)。

 

2年目から徐々に仕事が入り始め、ソニーコンピュータのロゴデザインをさせていただいたあたりから、どんどん仕事が広がっていきました。

 

ロズリン:提供されていた技術は、MACのフォトショップ登場など、テクノロジーが進歩していくと、特別な技術ではなくなる。

へこみませんでしたか?

 

 

 

 

谷 合:不思議となかったですね。今まで得たものも大きく、自分も進化していたと思います。

そこにこだわっていたら、今の自分はなかったと思っています。

 

ロズリン:その頃、スタッフは?

 

谷 合:一人の時代が長かったですね。

その後、5名ぐらいの会社を作り、若かったので様々な、トライ&エラーを繰り返したことが血肉となったと思います。

 

ロズリン:どんなトライ&エラーを?

 

谷 合:本当にいろいろですが、当時パートナーと一緒に海外ファッションブランドの日本展開や、ゴルフ場のプランニングなど。

 

まったくの専門外。手探りのゼロ状態から始めましたが、専門分野は各専門家に任せられること、俯瞰でみることの大切さ、いろいろな分野の方々と組んで仕事をし、チームで仕事をすることの良さも知りました。

 

人がいる分だけ世界が広がりますよね。

 

 

ロズリン:私はそれを映画の世界に感じます。最後に流れるクレジットを見ていると数百人の名前が出て、いつもすごいなぁと思います。

 

谷 合:最近は両極端です。今や機材が発達し、一人でも映画を作ることができるんですよ。

昨年すごくはやったアニメ「君の名は」の監督は、その前々・前作では、ほぼ一人で制作しているとか。

 

ロズリン:そんなことができるんですか。すごい時代になりましたね。

    

 

引き続き、後編でお話しをお聞かせください。

 

 

 



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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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