Interview

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書家 石井 櫻乃さん 後編

 

 

書道の社中(しゃちゅう)の家に生まれた書家の石井櫻乃(いしいおうない)さんを迎えてのインタビュー後編です。

 

 

ロズリン:大学を卒業してからは、どのような活動を?

 

櫻乃:日展に出すためにはどこかの流派でなければならないので、しばらくはその藍筍会に所属していました。何度か入選を果たしてからは、枠にとらわれずやっていくために独自で活動しています。

 

 

ロズリン:日展というと、硬い作風ばかりのようです。櫻乃さんのようにデザイン性の高い作品はあまり見かけませんね。

 

櫻乃:日展は、規格に沿って書かないと。さらに日展や他の展覧会もそうですが「闘う字」が求められます。だから、とてもこういうふうに、ゆったり鑑賞できたり、癒されるような作品は出せませんし、入選できませんから。

 

ロズリン:私はデザイン性のある作品に魅力を感じます!その後、どのようにお仕事を展開されていったのですか。

 

櫻乃:実は、いったん書道の仕事からは離れているんです。離婚して、しっかり仕事をしていかなければならなくなったものですから。

 

ロズリン:それでは、何のお仕事を?

 

櫻乃:英会話学校の経営です。しばらくはそれに専念していました。最近になり、ようやく経営も落ち着いてきたので、今はそちらは息子に任せ、私は書道の仕事を再開。こちらの世界に戻ってみると、やはり天職だと感じますね。

 

ロズリン:天職と感じられる仕事ができるひとはなかなかいませんね。素晴らしい!いまは、主にどなたに教えているのですか?

 

櫻乃:アメリカ大使館で書道を教えています。大人から子どもまで、日本人も外国の方も。

 

ロズリン:日本人だけではないんですね!続けてお稽古にきますか?

 

櫻乃:やっぱり外国の人は漢字の意味がわからないから、日本の生徒さんのほうが長続きしますね。他には、チャリティーで教えたり、アメリカのアマンリゾートのホテルで字を書くイベントを頼まれたり。

 

  イベントでの風景

 

  リラックス書道(アメリカ アマンガニ)と2016年7月東急ハーベストクラブ旧軽井沢15周年記念でのパフォーマンス

 

面白いのが、ベルギーで行なわれる花博でファッションショーをする方に頼まれて、着物 の後ろ2mくらいひきずる白い裏地に「竹」という字と竹にちなんだ和歌を1首書きました。一発勝負だから、とてもドキドキしました。

 

  ベルギー ゲント博 ファッションショー

 

 

お手本を使わないのが、櫻乃流

 

ロズリン:生徒さんに教える練習はどのように?

 

 

櫻乃:古い古典を模写させるということはしますが、あとはどんどん自分で作り出してもらいます。みなさん、お手本通りに書こうとして、違ってしまうと「あ、間違えた、、、」とそこで終わりのような気持になりますが、そこで終わりではないんです。そこから始めればいいんです。

 

確かにお手本とは違う、イメージとは違いますが、失敗したと思う字の次から、その字を生かすように続ければいいんです。そうして自分と自分の書道を育てていきます。

だからお手本は出しませんが、書の命と言える基本の線と、古典の臨書はずっと続けます。それが櫻乃社中の書道です。

 

 

形のよさより、命のある字を

 

ロズリン:最初はどんな練習から始めるのですか。

 

櫻乃:最初は線です。歌でも、発声ができていないとダメでしょ。それと同じで、書道も形がダメでも線がきれいだったり強かったら、それが味になる。だから、まずは線を練習して魅力的な線にして、自分の字を仕上げていきます。

 

 

ロズリン:縦や横の線をひたすら書く?

 

櫻乃:そうです。手首を使わず、ひじを使って書きます。コンパスのように丸をグルグルと書いてみたりもします。線がきれいになると、たとえ下手な字でも味が出る。

 

ロズリン:線がきれいって、どういうこと?

 

櫻乃:力強いかどうか、命が入っているかどうかです。求めるものが形のきれいさだけだったら、印刷したお手本を塗り絵のように塗ればいい。でも、それだとつまらない。

 

子どもの字って、力があるでしょ。はみ出しても形がおかしくても、イキイキしている。大人になるとそれがなくなってしまうので、まずはそれを取り戻すところから。線がきれいになると、形はあとからできてきます。

 

ロズリン:ある程度、基礎ができて自分の字が書けるようになるまでには、どのくらいかかりますか。

 

櫻乃:いつになったら、というものでもないので、私は2か月くらいで大きな作品も書かせますよ。好きな字を書いてというと、みんな真剣に考えて書いています。そうすると、いかに自分が書けないかがわかるんです。小さく書いていたときには気づかなかったものが、大きく書くとわかったりする。そこからがまた新たな練習の始まりです。

 

ロズリン:なるほど。奥の深い世界ですね。櫻乃さん、今後の夢は?

 

櫻乃:銀座と京都で個展を開きたいと思っています。来年4月には京都高台寺近くの古いお家をお借りして社中展を行います!銀座店も是非実現させたいです。 また、こだわっている香木を広めていきたいと思っています。

 

  香木で香りづけされたお名刺

 

ロズリン:すてきなお話をありがとうございました。

 

 

感想

 

櫻乃さんにはじめてお会いしたのは、以前このブログでインタビューした子供地球基金に関係するチャリティーイベントでした。とても素敵な方で、もっとお話しを聞きたい!と思ったのを覚えています。

 

書道はお手本を見て書くものと思っていたので、線の練習をするというのには驚きました!たしかに、惹かれる作品は、線に力があるように感じます。命がこもっている線というのは見てすぐにわかりますね。

 

何事も極めるというのはとてもすばらしいことです。長い時間努力が必要です。でもそれも櫻乃さんは楽しみながらしているように見えます。とても元気をもらえるインタビューでした。またぜひ櫻乃さんのステージでのパフォーマンスも見せていただきたいです!

 

 

 

<石井櫻乃さんプロフィール>

書家である祖父の影響で、幼少より書に親しむ。第18回日展(かな)入選。読売書法展(漢字)秀逸2回、特選1回。毎日書道展(漢字大文字)入選。藍筍会書道展(かな)特選。書象会(かな)秀逸。群馬県展(漢字)第35回特別記念大賞、特選。イタリア有名ブランド展示会でコラボレーション(陰影の美)。アメリカ外交官パーティー展。リヤドロパーティー。ベルギーゲント花博。東急ハーベスト旧軽井沢クラブ、京都子供地球基金パーティーなどでパフォーマンスと作品展示。2011 年京都にアトリエを構え、作品作りにいそしむ。現在は軽井沢在住。

 

▼公式WEBサイト

http://ohnai.tokyo/

 

【書道教室ご案内】

・アメリカ大使館教室 毎月第二、第四土曜日 13時〜15時

・銀座6丁目教室  第二水曜日 18時〜21時

・恵比寿チャリティー書道 第二水曜日 14時〜16時 子供地球基金オフィスにて

・京都高台寺教室

 

【櫻乃社中展開催 京都】

2018年4月14日(金)〜16日(日)

高台寺和久傳隣のお宅にて 

 



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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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