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デビル・クラフト 前編

 

東京都品川区の京浜工業地帯にあるビール醸造所。
ここでクラフトビールを作り、そのビールとシカゴスタイルの“ディープディッシュピザ”を提供する直営店 「DEVIL CRAFT (デビル・クラフト)」 を開業したのは、ジョン・チェンバーズ、マイク・グラント、ジェイソン・コウラーの3人のアメリカ人。
彼らのビール作りに対するこだわり、そもそもなぜ日本でビール作りをすることになったのか?ジョン、マイクのおふたりに話をうかがいました。

 

■ DEVIL CRAFT URLhttp://www.devilcraft.jp/

 

 

 

やっと見つけた理想のビール醸造所

 

ロズリン:ここでビールを醸造しているんですね。

タクシーでこちらまで来ましたが、なかなかたどり着けずに迷ってしまいました。

 

マイク:ここは東京23区内の唯一の工業専用地区、品川区の京浜工業地帯。建物は元プレス工場だったんです。

人が住んでいないので、あたり一帯すべて同じ番地。おもしろいでしょう。

 

ロズリン:住民がいないのは、醸造所としては理想的ですね。

 

 

 

マイク:醸造の機械は重いので、どこにでも施設を設置できるわけではないんです。

ここは古い建物だけれど元プレス機械を置いていただけに頑丈で、20トンの重量までは大丈夫。

神田や浜松町の店までも近いし、多少音が出ても周囲も工場なので問題ない。うちが一番静かなぐらい。

本当に理想的な物件です。

 

ロズリン:醸造をスタートしたのはいつですか?

 

ジョン:ここを見つけたのが2014年3月。
その後、準備を重ねて実際に醸造を開始したのが2015年秋でした。

 

そもそも自分たちで醸造したビールを販売するという構想が生まれたのは2008年で、最初の店をオープンしたのは2011年でした。
自分たちでビールを醸造し、そのビールを自分達のレストランで提供するという夢が叶うまでにはだいぶ時間がかかってしまいましたね。


 

 

ビール好きという共通項で、意気投合

 

ロズリン:そもそもなぜ日本でビールを作ろうと思ったのですか。まずはみなさんの経歴から教えてください。

 

ジョン:私はアメリカのフロリダ出身。

アイオワで勉強し、カリフォルニアで働いていましたが、90年代にGEのエンジニアとして来日しました。

2年間駐在し、アメリカに帰ったらあちらは経済状況が良くなくて。もう大きな会社で働かなくてもいいかな、と早期退職制度に応募し、大学に入りなおしました。


起業するためのビジネスを勉強し、もう一度日本にやってきたんです。当時は日本に勢いがあったので。
始めは英会話講師をしていましたが、そのうち友だちとマネジメントトレーニングの会社を設立。

現在も、その会社の役員でもあります。

 

 ジョン・チェンバーズ

 

当時はよく、趣味でクラフトビールの会に参加し、その友人たちと東急ハンズなどで、ビール作りキットを買って作ってみたり、ビール作りのセミナーに参加したりするようになりました。

 

 

マイク:私はカリフォルニア出身で、91年に来日しました。

その前は台湾に1年半ほど住んでいて、英会話講師をしていました。その後、高校時代の友だちが日本にいて日本に来ないかと誘われて。

当時、日本はバブル経済で非常に豊かだったので 「日本に行けば金持ちになれるんじゃないか」 という感覚で来てみたんですが、来たころにはバブルは弾けてた (笑)。

 

 左から、マイク・グラント、ジョン・チェンバーズ

 

でも日本が大好きになって。
京都に住んで、そのころ初めてクラフトビールに出会ったんです。これはうまい!と思って、自分でも作ってみたくなりました。

 

ジョン:もう一人のジェイソンはオクラホマ出身で、そこに留学していた日本人の女性と結婚したことがきっかけで、日本にやってきた。

つい最近まで英会話講師をしていました。

 

 

ロズリン:そんな皆さんがどのようにして出会い、どのような経緯で一緒にビジネスをやろうということになったんですか?

 

マイク:お互いクラフトビールが好きで、いろいろな会合やイベントに参加していたので、そこで自然に出会いました。

好きな銘柄を紹介しあったり、日本の地ビールに興味を持っていろいろな地方のビールを試してみたり、楽しく活動しているうちに意気投合しました。

 

ジョン:いつか自分たちのビールを作りたいね、ビジネスとして立ち上げたいねという話で、私とジェイソンがまず盛り上がり、よくそのアイデアについて語り合った。 
そして我々の考えに共感して、一緒にビジネスを立ち上げてくれるもう1人のメンバーを探していました。でもなかなか現れなかった。

 

マイクはクラフトビールの品評会にも自分の作品をよく出品していて、彼なら3人目のパートナーにふさわしいと声をかけました。

 

 

マイク:3人が時間的にも家族の状況的にも、それが可能だったので、じゃあ3人で始めようということになったんです。
実は3人とも、奥さんが日本人なんですよ。

 

ロズリン:そうなんですか!


 

 

免許を得るためにパブレストランを開店

 

ジョン:私はマネジメントトレーニングの会社、マイクやジェイソンは英会話の講師と、それぞれ他の仕事をしながら、準備を進めていきました。

 

マイク:はじめの計画としては、ビールを醸造して売る、ということだったので、まずは醸造の場所探しから始めたんです。

土地の安いところをと田舎を中心に探しましたが、なかなか良い物件が見つからない。それで、自然に計画が変わり始めました。

 

ロズリン:どんな風に?
 

 

マイク:醸造酒を作るためには免許が必要です。そして免許取得のためにはお酒を売るための場所をあらかじめ確保しておかなければいけなかった。
そこで計画を切り替え、まずはパブレストランを営業するのに適した場所を探すことにしたんです。そうすれば、そこで作ったビールを出せますからね。

 

神田にちょうどいい物件を見つけ、4階で醸造しながら下階のパブで提供しようと考えたのですが、建物の構造上あまり重い機械は入れられなかった。
資金も必要でしたし、はじめはクラフトビールを輸入して提供することでパブをスタートしました。

 

3人とも飲食業の経験はまったくなかったけれど、とにかくチャレンジすることにしました。それがデビル・クラフト1号店です。

 

ジョン:メニューとしてはビールを中心に、食べ物はピーナッツなどのつまみ程度、と考えていましたが、いろいろ調べてみると、東京にはクラフトビールが飲めて食べ物も美味しいという店があまりないということが判明。

 

そこで、ジェイソンの思いつきでピザを提供することにしたんです。

これが思いもよらず大ヒットした!

 

 

ロズリン:どんなピザなんですか?食べてみたいです!

 

ジョン:ジェイソンがシカゴにある醸造学校で学んでいるときに虜になった、シカゴスタイルのピザです。

彼が7年ほど前にアパートから一軒家に引っ越した際に、そのピザ作りのためにわざわざ海外からオーブンを取り寄せたほど。
 

その 「ディープディシュスタイル」 がこれほどまでに人気になるとは。

開業3カ月で投資金額を回収できました。

 

 

 一見、キッシュのようにも見えるそびえ立つ耳が特徴。
 スパイスのきいたトマトソースがぎっしりと詰まっている。

 

 

ロズリン:すばらしいですね。これまで日本にはないスタイルだったんですね。

 

マイク:あっという間に浜松町の2号店も開店することに。
そこは天井の高い物件で、ここならビールの醸造もできるかと思ったのですが、店の方が忙しくて席を立つ暇もない。

こんなにお客さんが入るのに、客席をつぶしてまで醸造の場所を確保するのはあまりにももったい無いので、やはり別の場所で場所探しを続行しました。

 

それでようやく、ここ品川の地が見つかったというわけです。
もう一目ぼれで、理想的な場所だったので、すぐに決めました。結果的にも、お店と醸造所がわかれたことはよかったのでラッキーでした。


 

ロズリン:引き続き、後編ではビールづくりについて詳しくお話をうかがいます。

 

 

■DEVIL CRAFT URLhttp://www.devilcraft.jp/

 

 

 



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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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