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プラン・ジャパン 林 絢子さん 後編



公益財団法人プラン・ジャパンでファンドレイジング(寄付金集め)のマネジメントを担当している林絢子さんを迎えての後編です。
■Because I am a Girlキャンペーン公式FB:
https://www.facebook.com/Girl.PlanJapan.org



プラン・ジャパンが「ガール」の支援にこだわる理由
 
ロズリン:林さんはこれまで、どんな仕事を手がけてきましたか?
 
林 :現在はファンドレインジングの担当として、寄付金を集めるためのさまざまな宣伝活動を担当していますが、入局当時はアフリカ地域の 「 ドナーサポート 」 の担当でした。
支援者 ( ドナー ) とアフリカの子どもたちの交流のサポートや、問い合わせ対応、アフリカの事務所とのやり取りなどを担当していました。
毎年のようにアフリカに出かけ子どもたちに会い、現地の状況も見ていましたね。
 
ロズリン:アフリカは行くと大変なことが多いでしょうね。
 
林 :いえいえ。私はかえってアフリカにいるほうが元気で、毎回太って帰ってきていました。
だから私が疲れてくると、事務所社内では 「 そろそろ林さんをアフリカに行かせなきゃ 」 という話になっていたほど ( 笑 )。


 
   アフリカ南部 ジンバブエ共和国

アフリカの子どもたちは本当に元気で笑顔がいいんです。
彼らにとって私は初めての外国人。最初は遠巻きにしていますがだんだん近寄ってきて、 「 どうしてこんな肌や髪の色なの? 」 と触りにきて質問攻めになるんです。

女の子は私のストレートの髪を三つ編みにし始め、最後には私の取り合いになる ( 笑 )。
お母さんたちも、毎回自分の娘が帰ってきたみたいにあったかく迎えてくれます。
できる限りのお料理を用意し、私が到着するまでずっと踊って待っていてくれるんです。


 
   エジプトにて

ロズリン:ずっと踊って、というのはすごいですね。料理は口にあいますか?
 
林 :はい。けっこうおいしいですよ。
彼ら自身、普段ほとんど食べられないお肉をさばいてくれます。じっと見られているので食べないわけにいきません。
 

ロズリン:ポスターを見ていつも思うのですが、アフリカの子どもの歯は白くて並びもいいですよね。
歯のお手入れはどうやっているんですか?
 
林 :そういわれてみると本当にきれいですね。
いつも木の枝でみがいていて、むこうはスナック菓子がないからむし歯にもなりにくいのかもしれません。
 
ロズリン:そうかもしれませんね。私たちの社会では考えないと...そして林さんは、アフリカ担当の後は今の部署ですか?
 
林 :はい。特に近年、プラン・ジャパンは途上国の 「 ガール 」 の現状を伝えるキャンペーンを行い、その支援に力を注いでいます。
実は学生時代からずっと、私は女性・女の子への支援に関心を持ち勉強していたので、4年前にこのキャンペーンが始めることになり、夢のようです。


 

例えば2011年に国連が、毎年10月11日を 「 国際ガールズ・デー 」 と制定しましたが、これは現在も継続している 「 Because I am a Girl 」 のキャンペーンの一環として、国連に働きかけてきた結果なんですよ。
 
ロズリン:そうですか。女性ではなく 「 ガール 」 にこだわる理由は?
 
林 :途上国の女性の多くは、そもそも学校に行けないか途中でやめさせられ家事労働につき、早すぎる結婚をさせられ母親になる。「 ガール 」 でいられる時期が短いんです。
 
ガールと呼ばれる思春期にどれだけ大切な時間を過ごせるかで、その後の人生が大きく変わります。
もし学校をやめず、すぐ結婚しないですめば、人生の可能性が広がり、早すぎる妊娠・出産と子育てだけで終わってしまうこともない。
そのために彼女たちの実体を知らせたいと、現在のキャンペーンをしています。
 
 
寄付する行為は人のためでなく、自分を幸せにすること
 
ロズリン:よく地下鉄などで目にする、ピンクのサリーを着た少女のポスターがそうですよね。
 
林 :はい。 「 13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。 」 というコピーです。
クリエイターの方たちと一緒に手がけました。
 
ロズリン:あれはとてもインパクトがありますね。


 

林 : 「 Because I am a Girlキャンペーン 」 はグローバルに展開していますが、決まっているのはキャンペーンの名前とキャンペーンカラーはピンクであること。
あとは加えるメッセージなど、国ごとに自由にやっていいんです。
 
ロズリン:おもしろいですね。
 
林 :日本での具体的な戦略を考えようと思っていた2011年、3・11が発生したんです。
いつもは支援する側の日本が、世界中から支援していただく状況になり、キャンペーンを立上げるのは無理があると先送りになりました。
半年ぐらいたち、そろそろ再開してはという時に、私はまだ悩んでいたんです。日本がこんな不安な時期に、途上国の女の子のことをアピールしても、みんなは振り向いてくれないんじゃないかと。
 
その時に、キャンペーンを一緒に盛り上げて下さることになった方が言ったんです。
「 この子たちと日本の女の子には大きな違いがある 」 と。この方のご親戚は被災しており、震災の現場の様子を知り尽くした方でした。
日本の女の子は今は震災で大変でも、根本的な自由は奪われていない。物事を考える自由はあるし、何かしたいと思った時に助けてくれる大人もいる。実現に向けて行動することに反対する人もいない。何より人を好きになる自由もある。
でもこの子たちは違う。恋もできないんでしょ?意志を伝える手段もない。全然違うよと。 
 
「 あっ、それだ! 」 と、これがあのコピーのヒントになりました。
 
ロズリン:そうだったんですね。確かに彼女たちの状況とは大きく違いますね。

林 :同じ目線で問題としてとらえてもらうため、特に同年代の女の子たちがしじゅう考えている 「 恋 」 をテーマにしたら、興味を持ってくれるかもしれないと思ったんです。

そして 「 恋 」 を通じて、途上国の女の子も持っているはずの感情や意志を表現したかった。で、実際にそのようなキャッチコピーにしてみたら、その年代を経験した大人の女性であっても 「 それどういうこと? 」 と、疑問を持ち、たくさんの問い合わせがありました。
想像以上の反響をいただきましたね。

またお叱りのご意見もありました。 「 日本も昔は早婚だったし、何が悪いの?それより日本の晩婚化と少子化のほうが問題だ 」 とか。
 
でもこれはそういう問題ではありません。途上国の10代の女の子の死亡理由の第1位が妊娠・出産だということ。驚くべき事実です。
まだ体の準備ができていないこの時期の危険性について、またそれを拒否することもできないという現実、命のかかった問題なんです。


 


ロズリン:深刻な問題ですね。反応も大きかったですか?
 
林 :はい。びっくりするほど。女性たちが個人としても、そして例えば勤める企業としても何とかしようとしてくださることが多く、いろいろ応援くださっています。本当にありがたいです。
おかげさまでこのキャンペーンを通し、私たちの活動に対する認知度は驚異的にあがりました。

このように賛同者は増えているのですが、個人の寄付がなかなか増えていないのが現状です。 
自分に何かできないかと考えた時、日本人はお金で解決することに罪悪感を感じたり、そのお金がちゃんと使われているのか、不安を感じたりするみたいですね。
 
ロズリン:寄付に罪悪感を感じるのは不思議ですね。公益財団法人だから、収支についてもきちんと国に報告するわけですよね?
 
林 :もちろんです。寄付の文化を日本に根付かせるのは、今後の課題ですね。
 

ロズリン:林さんは、自分の夢であった組織に入り仕事をしてみて、いかがですか?
 
林 :現実にその仕事をすると、いろいろなことが見えて理想とは異なる部分もあります。
でも自分の時間や力を投じたいと思える理由がここにあるので、ぜひ続けたいと思います。
 
以前はコンサルタントだったので、今も当時も事業の拡大を求めるという意味では同じといえるかもしれません。
でも何のための事業の拡大かを考えると、今は困っている子どものたちのためと明確なので、たとえつらいことがあっても折り合いをつけがんばれます。
 

ロズリン:お休みの日などは何をしてリラックスしていますか?
 
林 :ボクシングなんです。
 
ロズリン:え!!ボクシングですか。
 
林 :ええ。以前は普通のフィットネスクラブに通っていたんですが、そこでボクシングの講座が始まり、やってみたらおもしろかったので。

今の先生は、元世界チャンピオンなんですよ。当初はストレス解消が目的でしたが、今は一緒にやっている仲間に会うのも楽しみの一つとなっています。


 


ロズリン:そうですか。今後はどのように活動していきたいですか?
 
林 :プラン・ジャパンの認知が進んだ今後は、寄付金を増やしていきたいですね。
私の理想は、光熱費が落ちるように口座から毎月一定額を寄付いただけるよう、寄付に対するみなさんの感覚が変わることです。

最初は人のためにと考えて支援を始める方が多いですが、結果的には自分の人生が豊かになり、幸せになったと感じる方が多い。
ぜひ人生の楽しみとして、寄付やチャリティーを考えていただきたい。

プラン・ジャパンでは、一口千円からの Girls Project 継続寄付や、月3千円からのプラン・スポンサーシップなど、様々な支援の形があります。
この機会に、ぜひサイトを見て考えていただけたら嬉しいです。
 
ロズリン:日本にそういう感覚が根付くといいですね。今後もがんばってください。


 

<インタビュー感想>
みなさんの中にも、“ Because I am a Girl キャンペーン 〜 世界の女の子に生きていく力を。 〜 ” の広告を目にした方がいるのではないでしょうか。
「 13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。 」 というコピーは衝撃的で、とても印象に残ります。
 
欧米では寄付の文化が根付いていますが、確かに日本はまだまだですね。きっとこれから変わっていくのではないかと思います。
光熱費のように口座から自動的に寄付金が引き落とされるようになれば、もっとたくさんの少女たちが、夢を持つ本来ならあたりまえの自由を手に入れることができますね。そしてその姿を目にすることで、自分自身の人生も豊かで幸せになるというのは、その通りだと思います。
 
小学生の頃から一貫した思いを持ち続け、とうとう夢を実現された林さん。今は少女達の夢の実現のために、輝いて活躍されています。
プラン・ジャパンの明るく前向きなアプローチが大好き! 私もぜひ応援したいです。


 


Profile

日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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