Interview

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管理栄養士 大柴由紀さん 後編



八ヶ岳に囲まれた広大な自然の中で様々な体験ができる宿泊施設
「キープ自然学校」で管理栄養士として活躍する大柴さんの後編です。
 
 
料理が好きで、栄養士に
 
ロズリン:なぜ、こちらの施設に?
 
大 柴 :子どものころから料理が好きだったので、調理の仕事がしたいなと思い、大学卒業後に栄養士の資格を取りました。
就職を考えたときに、たとえば給食のようなたくさんの量を調理する職場がいいな、と思いまして。

学生時代からYMCAのキャンプに参加していたこともあり、縁あってキープ協会に就職しました。
2年ほど実務経験を積んだら地元の関西に帰ろうと思っていたのですが、その後、自然学校の立ち上げが決まり、そのまま残ることにしたんです。
 
ロズリン:八ヶ岳の自然環境にも魅力を感じた?
 
大 柴 :実は私が料理に興味をもったきっかけのひとつが、町内会の子ども会で野草を積みに行き、それを天ぷらにして食べたという子どもの頃の体験が印象的だったからです。
 
自然に囲まれた環境で子どもたちに食の大切さを伝えたいと思っていたので、キープの立ち上げから関われたのは嬉しいことでしたね。

 

ロズリン:キープは、どんな人たちが利用しているのですか。

  

大 柴 :利用者は年間約1万5000人。保育園や幼稚園のお泊り保育や小・中学校、高等学校の校外学習や林間学校、大学のクラブ活動やゼミ合宿などさまざまです。

こちらとしては利用者を限定せず、ぜひ幅広い方々に利用していただきたいと思っています。
 

ロズリン:ちなみに清泉寮はどうですか? 
 
大 柴 :同じ敷地内にあるのですが、あちらは完全に一般の方々向けのホテルですね。
 
ロズリン:人気があるのは、やっぱり夏?
 
大 柴 :そうですね。避暑地のイメージがあるので、夏の宿泊予約はあっという間に満杯です。
でも、こちらに住んでいる身としては、冬がおすすめ。


  

空気が澄んでいて、景色がすごくきれい。寒いですが、お天気はよく、雪はあまり降らないんですよ。
機会があったらぜひ、冬の八ヶ岳もお楽しみください。



自然の中での豊かな生活                                                                   
 
ロズリン:大自然の中での暮らしは、素晴らしいでしょうね。
日々の生活について教えてください。買い物などは、どうされていますか。
 
大 柴 :町までは車で30分くらい。必要なものはだいたいそこで揃います。
あと最近は、東京の専門学校で授業を一コマ持っており、週に一度上京するので、困ることは特にないですね。
 

ロズリン:ご結婚はされているのですか。
 
大 柴 :はい。清里の人と結婚したので、彼にとってはここが地元です。
 
ロズリン:それはよかったですね! お子さんは?
 
大 柴 :大学生の息子と、小学生の娘がいて、息子のほうは東京で下宿しています。
小学生の娘は、学校から帰ると森で思いっきり遊んで、家に帰って夕ごはんを食べて寝る、という子どもらしい生活を満喫しています。

いまの時代、都会に暮らしていたらなかなか味わえない生活ですから、ありがたいことだなと思っています。
 
ロズリン:最近の子どもは、自然の中で遊びたい、とあまり思わないみたいですよね。
親戚の子どもを見ていても、せっかく海の近くの別荘に来ているというのに、部屋でゲームをしたがるので驚きました。
 
大 柴 :経験がないと、自然の中でどう遊んでいいかわからないんですよね。
その点でも、キープの存在の意味はあると思っています。
 
 
若手の育成が今後の課題
 
ロズリン:最後に、今後の夢や目標を教えてください。


  


大 柴 :いまの課題は、若手の育成です。
職場に20代の子たちが入ってきますが、私たちの時代と比べても驚くほど何も知らず、何もできないんです。
それこそ、マッチをすって焚き火をおこすことすらできない子もいる。
 
ロズリン:生活すべてにおいて「経験」が足りないんでしょうね。
 
大 柴 :そういう子たちに、何をどのように伝えていくかが、いま一番頭を悩ませていることですね。
同時に、私が八ヶ岳に来たときに梅干しの漬け方からほうとうの打ち方からいろいろなことを教えてくれた世代の方々が、いまは70代、80代。
その方々がいなくなったら、いったい誰がそういう技術を伝えていくんだろうと、ちょっと危機感を感じています。
 
その下、つまり私たちの世代で、家庭生活でそういう作業をしているという人はほとんどいないのが現実なんです。
何らかの方法できちんと引き継いで若い人に伝えていかないと、と思っています。



  


<インタビュー感想>

ポール・ラッシュがキープ自然学校を設立した当時、敗戦後の日本は言うまでもなく、とても苦しい時代でした。
清里の地も例外ではなく、食糧の不足、寝ていても布団が凍るような気候、青少年の教育機関も不十分で、子どもを育てる環境としてはとても過酷だったといいます。そんな地でラッシュの残した功績はとても大きかったのでしょう。
今でも当時を知るお年寄りにとってその感謝の気持ち、ラッシュの存在は大きいそうです。
彼の没後もその精神は生き、今は形を変えて素晴らしいプログラムを提供し続けています。
 
こんな時代だからこそ日常の生活から少し離れ、自然を学び、自然の中で時を過ごし食卓を囲むことは、心の豊かさを育むためにも大切ではないでしょうか。

東京から車で約2時間半。意外と近い大自然を満喫しに行ってみませんか?
冬がオススメだそうですよ。


 


Profile

日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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