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ウェディングドレスデザイナー 花嶋千賀さん 後編

花嶋さん

Chica Hanashimaブランドを手がける、ウェディングドレスデザイナーの花嶋千賀さんをお迎えしての後編です


ウェディングドレスデザイナーとして、海外を飛びまわる日々
 
ロズリン:ウェディングドレスデザイナーとして、一人だちすることになった時、年齢は?
 
花 嶋 :30代に入る頃です。自分の店でオートクチュール専門でやっていたのですが、商社とライセンス契約を結び、デザイン提供もすることになりました。

そうして全国のショップでドレスがレンタルされるようになったんです。
 

 
オリジナルの結婚式や、海外での結婚式など、それまでとは違う結婚式の形が流行し始めた、ウェディングブームの頃です。専門の雑誌の創刊や、ビル全体がウェディングを扱うアニヴェルセル表参道ができました。
 
このアニヴェルセルでは、当時ライセンス契約していた私のブランドを、1フロアで扱っていただき、年に2回、ショーもさせてもらいました。
 
ロズリン:忙しかったでしょう。
 
花 嶋 :ライセンス契約のドレスは、海外の工場で縫製していたので、月に2回は海外出張。また年に4回は生地の買い付けにパリに出かけたりと、デザイナー不在の店といわれてしまうぐらい、出張が多かったです。
 
ロズリン:煮詰まることは?
 

 
花 嶋 :しょっちゅうでした(笑)。移動するとひらめくことが多かったので、大量にデザインしないといけない時は、わざわざ寝台特急に乗りました。たまったマイレージを使って九州までいき、すぐに寝台特急にのり10時間以上かけて東京に戻ってくるんです。
 
コンパートメントにお気に入りの音楽や仕事道具を持ち込んでデザインし、煮詰まったら音楽かけて踊ったりして(笑)。異空間を作りたかったんですね。
 
ロズリン:面白いですね。
 
花 嶋 :海外と日本を行き来する生活が10年以上続いていたのですが、43歳での出産をきっかけに、また新しい段階に入りました。ライセンス契約は継続せず、自分の店のオートクチュールとレンタルに絞ることにしたんです。
 

 
実際、育児をしながら海外を回るのは無理ですし、せっかくだからその状況でうまれるものを大事にしようかと。そして、子供の学校と家と近くにするために、お店を自由ヶ丘から今の中目黒に移しました。
 
 
出産をきっかけに、オートクチュールをメインの活動に
 
ロズリン:育児との両立は大変ですから職場と家が近いのはいいですね。子供が生まれてからドレスのデザインは変わった?
 

 
花 嶋 :異空間を作りに出かけたり、海外に出るというのはできなくなって、エキセントリックな状態から、非常にナチュラルな状態でデザインするようになりました。だんどり上手にもなりましたね。
 
ロズリン:育児とドレスのデザイン、やっていてどちらが満足する?
 
花 嶋 :いずれも、違う部分が満足する感じです。ドレスのデザインは脳が喜ぶ感じですが、子供に関連した嬉しさは、身体の奥底が反応しますので、どちらもとても楽しいです。
 
ロズリン:なるほど。オートクチュールをデザインする時に、大切なことは?
 
花 嶋 :打ち合わせを通してお客様の願望をくみとって、イメージをひっぱり出すことが醍醐味です。
 

 
そのためにいろいろコミュニケーションをとります。自分の思うドレスをうまく言葉にすることができない方も多いので、会話だけでなく、その方の持っている雰囲気や持ちものの観察など、いろいろな方向からその方の思い描くイメージを読み取るようにしています。
 
「かわいい」という言葉一つとっても、人によって基準が違うものですから。子供が産まれて、人の気持ちをくみ取る力がアップしたかもしれません(笑)。
 
ロズリン:自分のドレスの特徴はどう考えますか?
 
花 嶋 :よく言われるのは、大人の女性の可愛らしさを演出するということですが、若い方はもちろん、年を重ねても、その方の女性らしい可愛らしさは意識しています。
 

アンティークのレースが美しいドレス
 
また、素材にはかなりこだわっています。パリのアンティークレースや、シルクは国産の上質なものを使ったり。
 
ロズリン:素材の良さから、上品なティストだけど迫力が出ています。舞台衣装からデザインを始めたことも特徴に出ている?       
 

 
花 嶋 :すごく関係あると思います。ウェディングは、ある意味その方の晴れ舞台で、非日常の舞台衣装と考えていますので。
 
ロズリン:だから大胆なデザインも生まれるんですね。
 

リボンが大胆なアトリエのディスプレイ
 
最近は結婚式をしない人たちも増えていますが、どう思う?
 
花 嶋 :結婚式というのは豪華ではなくても、二人の最初の共同作業として、どんな形であれやったほうがいいと思っています。準備段階から二人が協力して、けんかしつつ歩み寄りながら努力する。そこで今まで見えなかったお互いのことが見えてくるのではないでしょうか。
 
ロズリン:今後はどのような活動を?
 
花 嶋 :最近、子供服も手がけ始めました。発表会やパーティーむけのお母さんとおそろいで着られるドレスです。2WAYなので、パーティーからちょっとしたおでかけの時まで着られるのが魅力です。
 
実はこのドレスに使うレースや布は、ウェディングドレスを作る時に余った布を使っています。今後も基本はウェディングのオートクチュールや芸能人の方の衣装を手がけることは変わりませんが、この子供服への挑戦もプラスしていきたいですね。
 
ロズリン:どのドレスも本当に美しいの一言です。がんばってくださいね。
 

 
<インタビュー感想>
 
花嶋さん自身が次のステージに進む時の、運命的なめぐり合わせはとても面白いですね。チャンスとも言えるめぐりあわせがあったとき、ものにできるかは、その人の姿勢にあるように思います。
 
お話から、占い師のおつげでは思い切り、レコード会社から依頼された衣装では本気で制作へ取り込むなど、その時々目の前にあることに真摯に向き合っているからこそ、チャンスをつかめるのだと感じました。
 
彼女のデザインするドレスは、写真からもわかるとおり、とても雰囲気があって魅力的です、実際に見て触ると、素材の軽さ、重さ、アンティークが醸し出す印象、そして作り手の思いがこもった作品に、さらに感動します。こんなに素敵なドレスを作る花嶋さんですから、今チャレンジをはじめている子供服も、きっと素敵なものになるでしょう。期待しています!
 
 
<花嶋千賀(Chica Hanashima)さんプロフィール>
 
東京生まれ
桑沢デザイン研究所卒
バレエ衣装などのチャコットのデザイナーを経てフリーのコスチュームデザイナーへ。キティレコードと契約。CDジャケット、コンサート、TV、雑誌、映画、舞台などでアーティストの衣装デザイン、スタイリストとして活躍。
アルフィーやダイアンレイン、米米クラブなど数多くの衣装をデザインする。
その一方で反響の多かったウエデイングドレスアトリエをオープンし、ウエデイング業界に常に
新しいデザインを提案し高い評価を得ている。
 
1992     ウェディングドレスショップ「Chica Hanashima」をオープン。
    全国各地でファッションショーを開催
1997     伊藤忠ファッションシステム株式会社と契約
    ドレスメーカーアルファブランカや狩野漆器などライセンス契約 
1998  アニヴェルセル表参道にショップをオープン
              年2回新作コレクションをアニヴェルセル表参道で発表
              各地でトークショーやコレクションを開催
2010     中村勘九郎*前田愛のウエデイングドレスをデザイン
2011     創立20周年にアトリエを自由が丘から中目黒に移転
2013     マレーシアでウエデイングドレスコレクションを開催
2014     宮崎陽江(ヴァイオリニスト)スロバキアコンサート衣裳を担当
現在        タレントの衣裳や多くのウエデイングドレスを製作中


 


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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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