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ウェディングドレスデザイナー 花嶋千賀さん 前編

花嶋さん

Chica Hanashimaブランドを手がける、ウェディングドレスデザイナーの花嶋千賀さんをお迎えしての前編です。

ウェディングドレスブランドChica Hanashimaはおしゃれな女性にファンが多く、近年は中村勘九郎さんと結婚した女優の前田愛さんや元首相の親戚のドレスなども手がけ、セレブや芸能人にも人気があります。そのブランドを手掛ける彼女がデザイナ−になるまでは、意外な過去がありました。これまでの道のりやデザインをする醍醐味を伺いました。

OL時代、路上の占い師に天職を予言されたことがはじまり




ロズリン:花嶋さんのドレスは、とてもロマンティックで素敵です。
ウェディングドレスのデザイナーは子供の頃からの夢だった?

花 嶋 :いいえ。自分でもまさかこんなことになるとは…と思っています。



Chica Hanashimaブランドのドレス

ロズリン:お子さんの頃は、どんなことが好きでしたか?

花 嶋 :お人形遊びなども少しはしましたが、女の子らしい遊びより私は天体望遠鏡が好きで、いつも星を見てました。当時渋谷にあったプラネタリウムの会員にもなるほどで。

ロズリン:そういう仕事に進もうとは思わなかった?

花 嶋 :私は中学から一貫教育の学校でしたが、大学は星に関係することが学びたいと外部の学校を受験したのですが、落ちてしまって。結局その学校のまま進学しましたが、理系のことを学ぼうと、夜間に御茶ノ水のプログラミングの学校に通ったんです。それを生かして、システムエンジニアとしてメーカーに就職しました。



ロズリン:エンジニアですか。今とあまりにも違います。

花 嶋 :でもこの銀座の職場で、現在の仕事につながるきっかけがありました。
あの頃はまだ女性誌で占いの特集などなく、路上占い師がすごく人気でした。仕事帰りにいつも占いの行列を見て気になっていたので、入社して初めてのボーナスをもらった年末、それを握り締めて先輩と占い師のおじいさんのところにいったんです。

適齢期でもあったので、先輩は結婚のことなど言われているのに、私には、「あなたは、髭がある相だから、人を飾る職業になるといい」というんです。


ロズリン:髭ですか?(笑)

花 嶋 :もともと髭というのは、男性にとって最上級の飾りである勲章を表わすそうです。おじいさんいわく、宝石か洋服か、何で飾るかはわからないけど、とにかくあなたは人を飾る仕事が合っているから、したほうがいいと。
素直だったので「そうか!」と、すぐにデザイン学校のパンフレットを取り寄せて、ファッションデザインを学ぶことにしました。


ロズリン:大胆ですね。



花 嶋 :それまでは服装も特にこだわりはなく、ごく普通のOLのものでしたし、絵も描けなくて。ですから、年明けからデッサンの予備校にも行き、勉強して合格しました。そこからは昼はOL、夜は学生の2足のわらじの生活を2年ほど。

夜は授業が終わった後、みんなで遊びに行ったり、宿題もたくさん出て睡眠時間が毎日とても少なかったけど、それも含めて本当に楽しかった。


ロズリン:全く違う分野に飛び込むなんて、勇気があります。

花 嶋 :2年勉強した後は、バレエ衣装やレオタード等のメーカーにデザイナーとして就職したのですが、その時、以前エンジニアとして働いていた経験が役に立ちました。


会社以外の活動がいつしか本業に


花 嶋 :実は、当時まだ珍しかったCADを、私がエンジニア時代に使っていた経験があったので採用してもらうことができました。丁度その企業がデザインにCADを取り入れるタイミングだったものですから。

ロズリン:本当に、どんな経験も無駄になりませんね。ここではどんな仕事を?

花 嶋 :バレエ衣装やレオタード、舞台衣装などなどのデザインです。ですがここにいる間に、また2足のわらじをはくことになりまして。

というのは、ちょうどその頃、友人たちがどんどん結婚していく年代に入り、スチュワーデスの友人からウェディングドレスのデザインを頼まれたんです。それが口コミで広まっていき、レコード会社に勤める方のドレスを作った際、その同僚から後日、ミュ−ジシャンの衣装の依頼の電話がかかってきました。




ロズリン:次々と、おもしろい展開です。

花 嶋 :依頼はデビューする女性コーラスグループの、レコードのジャケット衣装。しかし撮影1週間前に、衣装を急に変えてくれといわれたんです。その理由は、イメージにあわせて借りるはずだったオブジェが借りられなくなったためでしたが、どんなものか聞いたら、私が作れる気がしたので、オブジェごと作ることにしたんです。

すると、一部屋つぶすほどの綿と布が大量に家に送られてきましたが、仕事後の夜の時間と2日だけ会社を休んで、なんとか1週間で大物のオブジェを作り上げたんです。この結果、なんとレコード会社が「デザインスタイリスト」として、アーティスト契約をしてくれることになりました。


ロズリン:ミュージシャンの衣装を作るデザイナーということ?

花 嶋 :はい。多くのミュージシャンの舞台、ジャケット写真用の衣装を手がけるようになりました。



一方で、ウェディングの仕事の問い合わせも増えていて、会社がウェディング部門を作ってくれたんです。そして自由が丘でショップをオープンしました。Chica Hanashimaというブランドの立ち上がりはこのタイミングです。

ロズリン:すごいですね。会社の試みもユニーク!

花 嶋 :ですが、それから1年後レコード会社が傾き始めてしまって。黒字だった私の店は買い取らせてもらい、名実ともに自分の店としてスタートすることになりました。レコード会社はその後、なくなってしまったんです。

ロズリン:本当にいろいろなことがありますね。後半もこの続き、聞かせてくださいね。


プレゼントしていただいた、ウェディングドレスのレース地のバッグ

<花嶋千賀(Chica Hanashima)さんプロフィール>

東京生まれ
桑沢デザイン研究所卒
バレエ衣装などのチャコットのデザイナーを経てフリーのコスチュームデザイナーへ。キティレコードと契約。CDジャケット、コンサート、TV、雑誌、映画、舞台などでアーティストの衣装デザイン、スタイリストとして活躍。アルフィーやダイアンレイン、米米クラブなど数多くの衣装をデザインする。その一方で反響の多かったウエデイングドレスアトリエをオープンし、ウエデイング業界に常に新しいデザインを提案し高い評価を得ている。

1992 ウェディングドレスショップ「Chica Hanashima」をオープン。
   全国各地でファッションショーを開催
1997 伊藤忠ファッションシステム株式会社と契約
   ドレスメーカーアルファブランカや狩野漆器などライセンス契約 
1998 アニヴェルセル表参道にショップをオープン
   年2回新作コレクションをアニヴェルセル表参道で発表 
   
各地でトークショーやコレクションを開催
2010 中村勘九郎*前田愛のウエデイングドレスをデザイン
2011 創立20周年にアトリエを自由が丘から中目黒に移転
2013 マレーシアでウエデイングドレスコレクションを開催
2014 宮崎陽江(ヴァイオリニスト)スロバキアコンサート衣裳を担当
現在 タレントの衣裳や多くのウエデイングドレスを製作中




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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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