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ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局代表 松丸 佳穂さん 後編





  特定非営利活動法人 ルーム・トゥ・リード・ジャパン
  事務局代表
  松丸 佳穂 さん をお招きしての後編です。





リクルートで広報を担当。バリバリ働いた20代。
 
ロズリン:今度は松丸さんご自身のことを聞かせてください。
     松丸さんは、どんなきっかけでこの世界に入ったんですか?
 
松 丸 :ルーム・トゥ・リード・ジャパンを立ち上げたのが、2010年7月。

     私はその前からボランティアとして、広報やPRのお手伝いをしていた
     のですが、立ち上げにあたって採用され、正式に職員となりました。
 

ロズリン:
それまでは、どんなお仕事を?
 
松 丸 :大学を出て、まずリクルートという会社に入社しました。
     営業の数が圧倒的に多いので、私もてっきり営業だと思っていたのですが、
     広報に配属されたのです。




     最初は社内広報を担当し、社内の様々な出来事をいろいろインタビュー
     して書いたり、映像にしたり、社内イベントを開催するなどしました。

     その後、マスコミ対応をする社外広報の部署に移りました。
 
     しばらくして、仙台に転勤になったのです。
     「 ゼクシィ 」 という結婚情報誌の東北版を立ち上げて間もないころで、
     それを強化していくためです。

     東北の仙台と聞いたときには、全く土地勘がなかったので、すごい遠くに
     飛ばされた!行きたくない!と思ったんですが、結果的にはとてもよかった。



     東北は結婚式も郷土色が豊かで、結婚式ひとつとっても県によっても
     違いがあり、とても面白いのです。

     青森の結婚式なんて500人くらい来るのですよ! 
     雪で車が止まって取材に行けなかったり、取材先の方がひとりぐらしを心配
     して、野菜や土地のものを送ってくださったり、東京では体験できないような
     ことがいっぱいあって、素晴らしい同僚にも恵まれ、とても楽しく過ごしました。


ロズリン:ではおもに地方で、ご活躍されたんですね。

松 丸 :実は1年あまりで東京に戻されてしまったんです。

     東京に戻ってからは、北海道から九州までの編集全体のマネジメントを
     する立場になりました。

     中央にいてコントロールするというのは、常に現場にいたい。
     私の性格にはあまり合わないな、と思い、それで退職を考え始めたのですが、
     今思えば、ひたすらがむしゃらに働いた20代だったので、少し休みたくなった
     のでしょうね。

           

     そんなとき、たまたま出版社の人と知り合いになり、社長室で人を探している
     ので来ないか、と誘われたのです。

     当時の私の条件は、9時〜5時の仕事。
     これまでとは真逆の生活がしたくて ( 笑い )。 その条件でOKだということで、
     転職しました。

     その直前に結婚もしていたので、しばらくはそこでお世話になりました。


ロズリン:
でものんびりなペースでは、もの足りなくなった?

松 丸 :いえ。 仕事は新鮮で、本が読み放題というのも毎日とても幸せでした。
     秘書をすることで仕事の基本的なことをもう一度しっかり学ぶことができました。

     私の教育担当をしてくれたのが父親と同世代の方で、この道50年の大ベテラン。
     「 てにをは 」 から、言葉遣いから、しっかり仕込まれました。
     何より、彼が日々書き留める短歌を読むのが、何より楽しみでした。

     ただ、向く、向かないで言えば、秘書の仕事は向かなかったです。
     でも5年やってみて、ちょうどそのころ、ルーム・トゥ・リードから声をかけて
     いただいたのです。

     すごく迷ったのですが、決断しました。



立ち上げて2年目に震災。苦労を乗り越え、いまやっと順調に。

ロズリン:立ち上げ当初は、大変だったでしょう。





松 丸 :ええ。もうあの大変さは、もう2度と体験したくないです ( 笑い )。
     本当にクレイジーな状態で。

     スタッフは私一人なので、経理や人事、社会保険はどうするかとか、 
     全部自分で整えなきゃいけないのですね。
     しかも、本部に通すには、文書は全部英語にしなくてはなりません!
     日本人職員は私ひとりなので、日本固有の事情を逐一説明しなくては
     ならないことも、想像以上に大変でした。

     ひたすらそういうやるべきことに追われていたのが1年目。
     2年目でようやく自分のやりたいことにも着手できるようになり、少しずつ
     しくみが整ってきた。

     そこで、東日本大震災が起こったのです。




     しかも、夫の実家が被災してしまい…。 そこで、完全にゼロになりました。
     寄付者の方々もしばらくは東北支援をしたい、と。

     本部のほうも、当面は積極的な資金調達はしなくていいと言ってくれました。


ロズリン:あの年は本当に大変でした。
     そうするとルーム・トゥ・リードの活動はしばらくお休みすることになったんですね。


松 丸 :
でも、一か月くらいすると、自分のミッションは資金調達なのに、何もしないで
     いるのは気持ち悪いと思い始めていました。

     秋にカンボジアに出張したのですが、その年、タイとカンボジアが大洪水のあった
     年で、すごい被害をうけていたのです。

     カンボジアについては、あまり大きくニュースになっていないから支援も届いて
     いなかった。
     比べることではないですが、被災した姪っ子や甥っ子は、全国から支援が届き、
     4月にはもう学校に通えていたのです。

     日本はすごい国だなと思いました。


          

 
      当初は、正直、家族が被災しているのに、海外の子どもたちの支援をして
      いるのは、どうなのだろうかと引き裂かれる気持ちになったのも事実です。

      ただ、カンボジアでの被害を目の当たりにして、誰かがこちらも頑張らなければ
      ならないと感じました。

      何より心の支えとなったのは、今尾礼子という、とても優秀なコンサル出身の
      女性が職員として加わってくれたことです。
      彼女の頑張りもあって、資金調達を再開したのです。

      徐々に落ち着いてきて、支援者の方々も戻ってきてくれて、去年3年目は
      頑張りました。 いま4年目の前半期。皆さんのおかげで順調にきています。


 ロズリン:激動の数年間でしたね。
      でも、ゼロから立ち上げて、そういった歴史を全部体験しているのは強いですよ。

松 丸 :私もそう思います。




ロズリン:いまはまだまだ必死な時期だと思いますが、将来の見通しは?

松 丸 :いまは東京中心にやっているので、日本全国にもっと広げていきたいですね。

     あと、これまで3年やって気づいたことなのですが、私たち事務局は様々な
     「 機会 」 を提供していくことが役割なのではないか、と思っています。

     たとえば、開発途上国に学校を作りたい人はいっぱいいる。
     でも自分一人でそれをしようと思うと、とても大変。
 
     学校を作るところまではできたとしても、そのあとのメンテナンスや、教育の質を
     担保することとか、現地のスタッフをどうするかとか。
     継続するしくみを持っていないと、建てて終わりになってしまう。



               ネパールの少女

     だから学校を建てたいなら、私たちの団体を使っていただいたほうが効率も
     効果もありますよ、と。 これもひとつの 「 機会 」 の提供です。

     また、ボランティアサポーターに対して、彼らのスキルが生かせるような魅力的な
      「 機会 」 を提供することも大事だと思います。

     皆さんとても優秀ですので、適切な機会さえあれば、こちらが管理しなくても、
     どんどん物事が進んでいきます。
      「 任せ過ぎ 」 と言われることもありますが、権限委譲したほうがうまくいきます。


      私たちの活動も13年目になり、子どもたちの支援数も約780万人になり、
     この数字だけ見るとすごいなと思うのです。
     でもまだまだ世界には読み書きができない子ども、カラフルな絵本を手にしたこと
     がないこどもはたくさんいます。

     「 スピードは止めない。もたもたしていたら、7歳の子はあっという間に10歳に
     なってしまう。子どもにとっての2年、3年はとても大きな意味を持つ 」
     創設者のジョンが、よく口にすることです。

     やるべきことはたくさんあります。


      ネパール、バフンダンダの子どもたち。みんな笑顔


ロズリン:本当にそうですね。
     私も微力ながらお手伝いさせていただきたいと思います。

     今日はすてきなお話をどうもありがとうございました。




 <インタビュー感想>

  以前、ルーム・トゥ・リード創設者のジョン・ウッド氏のお話を聞いたことがあり、
  ビアーズ・フォー・ブックスの活動も含め、なんて素晴らしい取り組みなのだろうと、
  関心がありました。

  マイクロソフトを辞めて、自らこの団体を立ちあげたジョンウッド氏の著書
  「 マイクロソフトでは出会えなかった天職 」 は大変話題になったので、本を読んだ!
  という方も多いのでは?

  松丸さんのこれまで歩まれたすべてが、今のお仕事につながっていると思います。
  秘書時代からボランティアでルーム・トゥ・リードを支援していたそうですが、お仕事を
  やめてまで日本法人の設立に参加しようと決心したことは、とても立派です。

  本が大好きで、その本で困っている子どもたちを支援することが幸せと語る松丸さん。

  もしも皆さんが、自分の恵まれた環境に心から感謝し、生まれた国や地域が原因で、
  私たちが当然のように得ることができた様々な可能性を断たれた子供たちを少しでも
  サポートしたいと感じたなら、行動しませんか?! 

  何倍もの心の幸せを、子供たちからもらえるはず!

  そしてこの活動がこの先ずっと続くことができたら、きっと世界が変わる!
  さあ、自分も何かしたいとワクワクしてきませんか。 私はします!



             スリランカの子どもたち
 


  ◆ルーム・トゥ・リード・ジャパン
    URL : http://japan.roomtoread.org/





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日本で人生の半分以上を暮らし、動物(特にネコ)と自然、最近はゴルフも愛する、心優しきオーストラリア人。
ワインなら何杯でも?いける口です♪

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